2004.8.10 薬疹
手術をしてから抜糸をするまでずっとお風呂に入れなかった。
手術して数日経ったごろからから足や背中がかゆくてしょっちゅうかいてばかりいた。
いつだったかはっきり覚えてない(日記にも記録残ってない)けれど、7月の終わりごろ夕食にウナギが出た。
昔からウナギ大っ嫌いでそれまでほとんど口にしたことがなかったんだけど、他のおかずも対して好きなものはなかったので2切れほど食べた。
ううっ、やっぱ生臭い(涙)。グニャグニャしててキモい。
もう食べないでおこうと思った。

その夜、両腕にジンマシンのようなものが出始めた。
かゆい〜!!!
看護師さんに言ったけど、その時はさほどたくさん出ていなかったので、塗り薬を出してもらって様子を見ることになった。
しかし薬を塗ったもののやっぱりかゆい。その晩はかゆくてイライラしてほとんど眠れなかった。
次の日の朝見たら両腕のジンマシンは増えていた。その上、足や背中も何だかかゆい。
様子を見に来たOT先生に見せたら「よく分からないけど、もしかしたら薬疹かもしれんね・・・。」と言った。
その日から朝晩の抗生物質の点滴は中止された。
8月2日にシャワー浴をしてもいいと許可が出たので、毎日お風呂に行ったが、さっぱりよくならなかった。
足のもものあたりにもジンマシンが出てきたので、飲み薬も処方してもらった。
数日するとジンマシンは少し減ってきたものの、かゆみは一向になくならなかった。
イライラして寝不足の日が続いた。
8日にH先生に「紹介状を書いてあげるから皮膚科行ってみよう。」と言われた。

そして今日、外出許可をもらって昼から近所の皮膚科医院に行きました。
両腕と太もものじんましんは大分減っていました。
先生に診ていただいたら「見た感じは大分良くなっているみたいだから、薬疹かどうかは血液検査をしても多分分からないね。とりあえず薬出しておくから様子を見ようか。」と言われ、塗り薬と飲み薬を処方されました。

皮膚科を出た後、近くの喫茶店でサンドイッチとミックスジュースを食べて家に少しの間帰りました。
ほんとうは皮膚科受診したらすぐに帰るんだったけれど、スタッフの人たちにはもちろん内緒^^(笑・5時間も帰らなかったから看護師さんたちにはバレてただろーな^^;とは思う。でも何も言われませんでした♪)
久しぶりに自分の家を見たら涙がでました。
手術以来外出したのは今日がはじめてだったのだ。嬉しかった。
入院してからはほんと涙もろくなったと思う。でもこういう時は泣いていいよね。
ピーたん達に会ったらますます涙が止まらなくなってしばらく泣いてしまいました。
長くほったらかしにしていたにもかかわらず、あたしの顔を見たら4羽が次々と手に乗ってくれました。
今までごめんね・・・。姉ちゃんちゃんと帰ってくるからね・・・。
退院したら2度とこの子達の傍を離れないでいようと思いました。

シャワー浴をして帰院したのは夕方6時でした。
熱を測ったらやはり38・4℃もありました。
しんどくてパジャマにも着替えず私服のまま横になっていたら、H先生がきました。


「病院の先生なんて言ってた?」
「ジンマシンの原因はよく分からなかったみたいです。でも薬はいただきました。」
「何かひさしぶりに外出たら疲れたみたいやね。ゆっくり休んでね。あ、もうすぐ(腫瘍の)検査の結果でるからね。近い内にN先生のほうから話があると思うから。」


えっ、N先生が説明してくれるの??普通主治医のO先生からじゃないの?って思った。
そりゃその方があたしはうれしいけどね(^▽^)♪
大事な話なのにO先生でなくて、わざわざあたしが信頼しているN先生から説明があるというのは多分・・・・・・。
その意味は分かったけど、口には出さなかった。覚悟はずっとしてきたもんね。
自分の体のことだからちゃんとはっきり知りたいと思う。それをまた大好きな先生の口から聞けるのはとても心強い。

処方していただいた薬を塗り始めてからは、じんましんもかゆみも徐々によくなっていきました。
20日前後に皮膚科の先生が病院のほうへ往診に来て下さったけれど、ジンマシンの原因は結局分からないままでした。
治った今だから思うけれど、あれは多分ウナギアレルギーだったのかもしれない。



2004.8.12 イライラ
11日の朝、回診に来たO先生に「検査の結果、出たんですか?」と聞いてみたら、「一部は返って来てる。全部返ってきたら説明する。」と言われた。

その晩、母と弟が面会に来た。検査の結果が一部返ってきてることを話したら、「まだ一部??いったいいつになったら説明があるん!」とイライラしたように母が言った。
ちょうどその時、OT先生がやって来た。
「結果、いつになったら説明していただけるんですか?」と母が先生に聞いた。
「一部はかえってきてるんじゃけどね。今、手術で取った細胞を培養する検査してるんやけど、その・・・なかなか細胞が増えないんですわ・・・。」
「それってもしかして良性ってこととちゃうん?」とあたしは努めて明るく言った。しかし一瞬OT先生の表情が曇ったのを見逃さなかった。
やっぱそうか、って思った。けれど態度には出さなかった。
しかし、母にしたら我慢の限界だったようだ。
「分かっているところまででもいいですから説明してもらえんでしょうか?もう、今親戚からもいろいろ言われてるし。それに何より手遅れになったらどうするんですか!!」と厳しい口調でOT先生に言った。
「N先生に連絡取ってみます。」と言ってOT先生は部屋を出て行った。


母「もう、ほんまイライラする!あのくらい言わんといつまでたっても説明してくれんよ。」
あたし「でも、何か話聞いてたら良性っぽいやん?だ〜いじょうぶだって☆明るくしてようよ、明るく、明るく♪」


ピリピリ神経のとがってる母をなごませようとしたが、母たちはやっぱり固い顔していた。

しばらくして、OT先生と一緒にN先生がやって来た。
「調子、どう?」って真っ先にあたしに声かけてくれた^^嬉しい♪
「僕の性格は分かってるやろ?(結果説明の時は)ざっくばらんに話しするからね。」とN先生は言った。
それから母たちのほうへ向いて「明日かあさってお話しましょう。」と言った。
13日の昼、1時から結果説明と話し合いをすることに決まった。
ようやく母たちもほっとしたようだ。

そして翌日。朝から38℃熱が出た。看護師さんに頼んで解熱剤をもらった。
だいたい朝は36℃代で夕方から38〜39℃にあがっていたのに、朝晩関係なくなってしまったんだろうか。と不安になった。
術後も薬と言えば、一時的な解熱剤しか出されなかった。熱の原因の病気を治さない限り、治るわけがない。確実に悪くなっていってるって思った。
解熱剤で一時的に熱は下がったが、夕方再び38℃熱が出た。
昨日の晩あの後、あたしだけ先に結果説明してもらえないかなと思って看護師さんを通じてN先生に面談を申し入れていた、
先にあたしだけは知っておいたほうがいいかなと思ったからだ。

夜9時過ぎにN先生が病室にやって来た。消灯してたので、面談室のほうでお話した。


「僕に話があるって聞いたんだけど、何かな?」
「検査の結果、一足先に私に説明していただけませんか?」
「・・・昨日、家族の方と一緒に話するって言ってたやろ。あの時、お母さんがぷーやんさんのことすごく心配してるのが僕に伝わってきたんや。それに僕は今主治医じゃないやろ、だから明日外科の先生も立ち会うことになっているんや。 だから、今日僕がこの場で勝手に説明することはどうしてもできない、ごめんね。」
「でも、あたしは自分の体のことだから、知りたいんです。」
「ぷーやんさんの気持ちは分かる。でもね、今僕がここで説明したら、僕はぷーやんさんのおかあさんや、外科の先生方を裏切ることになってしまうんや。 それに・・・これからもぷーやんさんとはいい関係保ちたいんや。分かってくれるかな。」
「・・・分かりました。くだらないこと言ってすみませんでした。」
「・・・ごめんね・・・。」
「先生は・・・これからもあたしに関わってくださるんですか・・・?」
「もちろん☆」


面談室から出た後、歩いていたらN先生が隣に来た。ナースステーションまで一緒に歩いた。


「今、熱あるんかな。」
「38℃あります。」
「そっか・・・。」


N先生、夜遅くに迷惑かけてごめんなさい。先生を困らせたくなんてなかったのに。
病室へ帰ると、先生ごめんって気持ちで涙出た。あたしってほんとわがまま患者だと思った。
なかなか結果が分からなくて(予想はついてるけど)イライラしているのは、あたしだけではなくて家族も一緒だったのに。先生たちだって同じだったのに。
周りの人の心配も考えず、気持ちが先走りすぎていた。

先生、明日はよろしくお願いします・・・。



2004.8.13 検査の結果
今日、腫瘍の検査の結果を聞きました。
説明してくださったのは内科で診てくださっていたN先生と今の副主治医のOT先生でした。

N先生から告知受けて今日でちょうど1ヶ月。
あたしにとっても家族にとっても長い長い1ヶ月だった。

今日も昼から熱が38℃にあがってしんどかった。
家に電話したら、親戚含めて5人も来ると聞いてびっくりしました☆
母と弟だけでいいって言ったのに・・・みんなあたしのこと心配して・・・。2時過ぎに面談室に呼ばれて、6人が入っていったらN先生たちもびっくりしてました(笑・そりゃそーだろう)

N先生はホワイトボードにCTの断層写真を並べると、「ここの・・・背骨の部分と肝臓の裏の部分(胸膜)に影が見えます。」と説明をはじめた。


あたし「悪性ですか?」
N先生「悪性です。腺ガンという種類のガンです。」
あたし「進行は早いんですか?」
N先生「ううん、進行はすごくゆっくりした腫瘍だよ。薬で治る可能性は十分あるから。」


手術では腹膜の腫瘍のみ取ったそうで、胸膜の腫瘍は薬で治療するとのことでした。胸膜の腫瘍自体はそんなに大きいものではないみたい。
卵巣の細胞も手術のとき一緒に取って検査に出したそうですが、異常はやはりなかったそうです。原発部位は結局不明とのことでした。(なんかいかり○長介さんみたいだ。)
頻度的に非常にまれな腫瘍で、女の人の場合卵巣から胸膜や腹膜に転移する事がほとんどだという事、そのために診断が難しくて検査に時間がかかったことを話してくださいました。

結果に関しては冷静に聞いてたつもりだった。でも多少はショックだったんだろう。
「抗がん剤で髪抜けますか?」ってN先生に質問した時、「抜けるかもしれないけどまた生えてくるよ。」ってさらっと言われた。
そんなこと簡単に言って欲しくなかった。
思わず「そんなに簡単に言わんといてよ!先生には髪抜ける辛さなんて分からないよね!」って初めてN先生に怒ってしまいました。
ごめんね・・・先生にあたっても仕方ないのに。病気と闘うのはあたしなのに。
命のほうが大事なのは分かってる。でも・・・女にとっては辛いことだから・・・。泣きたくなかったのに涙出た。
母が肩をそっと抱いてくれた。
N先生はしばらく黙っていたけど、最後までちゃんと説明してくださった。(N先生もOT先生も激しいあたしの態度に言葉が詰まったみたいで、しばらくじっとあたしを見てたらしい・母談)
「病気と闘うのはぷーやんさんだけど、でもね。一人じゃないよ。ご家族の方も、僕らも協力するから、ね。」って最後に言ってくださった。
手術の前の日も同じ事言ってたけど、この言葉ですっごく心強くなって元気が出た。
N先生、今日はほんとうにありがとうございました。

病室へ帰ったら38℃8分まで熱があがっていました。でも心はすっきりしていた。
14日と15日は外泊の許可をもらいました。16日からいよいよ抗がん剤治療が始まります。
治療は飲み薬になるそうです。白血球が減ったり、吐いたりとかの副作用はあるみたいですが、髪はぬける心配がないって聞かされて少し安心しました。
そして薬が効くようなら退院して外来での治療になるそうです(^▽^)
今はまだ残ってるガンが小さいから治る可能性は十分ある。
辛い結果だけど、事実をありのままに受け止めて頑張ろうと思う。なっちゃったもんは治すしかないもんね。
あたしにはピーたんたちもいるし、たくさん支えてくれてる人がいる。
強くなりたい、って思う。頑張るね、ピーたんたち(*^ ^*)



2004.8.16 抗がん剤開始
今日から抗がん剤治療が始まった。
朝食前に看護師さんが抗がん剤2錠と2週間分の漢方薬(副作用を軽減するお薬)を持ってきた。


あたし「来たぁ〜っ!」
看護師さん「来たよ〜。こっちの薬は(抗がん剤)は大事な薬だから、詰め所で預からしてもらいますね。朝晩の食事の前に持ってきますね。」


抗がん剤は、オレンジと白の普通のカプセルの薬だった。これがあたしの中の悪い細胞と闘ってくれるわけっすね。

朝食後早速薬を飲んだ。


「まずっ(×_×;)!!」


抗がん剤は別に味しなかったけど、漢方の粉薬がごっつ苦かった。
ももさんのところにいた看護師さんが「オブラートに包んで飲むと飲みやすいよ。」と言ってくれた。
おかんにオブラート買ってきてとメールした。(っつーか病室で携帯使うな、あたし・・・^^;)

回診が終わって10時過ぎにももさんとリハビリに行ったら、胃がムカムカした。しばらく気持ち悪かった。
早速副作用が表れたんだろうか。見た目普通の薬なのにやっぱ強力なんだな。

夕方1階へ散歩しに行った。エレベーターを降りたらN先生とバッタリ☆


N先生「薬、今日からだよね。飲んでみてどう?」
あたし「う〜ん。ちょっとムカムカしますけど、普通に薬飲むのとあまり変わらないですよ。あたしもうすぐ退院できるんですよね?」
N先生「1回退院してみよっか^^」


1回退院しようって言葉は気になったけど(再入院もあるってことかな?)、そんなことよりも会えて話せてHappy気分のほうが大きかった(*^。^*)♪
先生に会うといつも元気が出る。
明日からも頑張れそうです☆



2004.8.18 退院決定
朝の回診の時、K先生から「傷口もすっかり閉じたね。明日退院してもいいよ♪」とお話がありました☆


あたし「ほんとですか☆」
K先生「あれ?まだ聞いてなかった?なら僕がはじめて言ったことになるんやな^^」


やっとこの日が来た・・・。待ち遠しかった。嬉しいよ〜!!

夕方母が帰って来た時間を見計らって早速電話で報告しました。
「よかったな。ほんとうによかった。」と母も嬉しそうでした。
いつ退院するか話し合いして、19日は家族の都合でちょっとのびたけど、この26日に退院が決定しました\(^O^)/

しかもさらに嬉しいことに、外来からは再び内科のN先生が受け持ってくださることになったのです♪
後で母から聞いた話では、本当は外科で治療を継続する予定だったらしい。
けれどあたしがN先生を信頼しているようだから、とO先生ら外科の先生方が決めてくださったそうです。
本当に何て言っていいやら・・・。O先生達、ありがとうございました・・・。

消灯近くになってN先生が来ました。
「先生、また外来からよろしくお願いします☆」と言ったらニコッとしてくれました。


「明日退院なんかな。」
「ううん明日は母たちが忙しくて来れないから26日になりました。」
「26日かー。退院後の外来だけど、最初だけ週1で来てもらって2回目からは月2回で行こう☆」


長かった・・・ほんとに。外来の頃を入れたら3ヶ月。いろいろあった。
辛かったことや苦しかったこと、いっぱいあった。けれど、N先生っていう信頼できる先生との出会いもあった。
病気になったことではじめて健康でいられることはすごくありがたいことだって分かった。
完治して退院するわけではない。
病気との付き合いはこれからも長くなりそうです。
今、薬の副作用で食欲がでないとか、吐き気がするとかの症状が少し出ています。
これからが辛い時かな・・・。でもN先生なら、この先何があってもすっごく心強い。
それに、あたしには家族やピーたんたちや友達がいる。暖かいメールをくださった皆様もいる。
だから頑張ります☆
今までホームページにメールをくださったたくさんの皆様、本当にありがとうございました。外泊の時、いつも読ませていただいてすごく元気づけられました。
お返事できなくてごめんなさい。退院後ゆっくりお返事させていただきます。