2005.2.26 雪のバースディ
今日は30回目のマイバースディでした。
昼、窓の外を眺めていたら雪が降り始めました。
雪のクリスマスとかにちょっと憧れている(ぷーやんの住んでいる地方はめったに雪降りません。)ので、雪のバースディになって嬉しいよお☆
しばらく降ってやんじゃったけどね。
その日の夜はおかんがこっそり持ってきた(笑・糖尿のくせに。二人ともワルよのう〜^^)ケーキを食べました。
来年の誕生日は食べに行ったり、家で過ごしたりしていたい。こんなとこでいるもんか。
一方で30ともなるとさすがに20代の頃みたいには、素直に誕生日を喜べなかったりもする。
年とったなって思うし・・・^^;
29から30になったからといって別にあたしは性格とか急にかわったわけでもない。(あたりまえだけどさっ)
同年代の人に比べると精神的に幼いなって思うとこいっぱいあるし、もう少ししっかりしなきゃなって思う。
てかちょっとずつでいいから・・・強くなっていきたいな。
病気のこともそうだけど、この先何があってもすぐに泣いたりしないようにねっ^^

ところで、昨日予定通り輸血400mlが行われました。
この日、最近新しく4人入ってきた同室者達のことで不愉快な思いをして、(書くのも胸くそ悪いんで 詳しく書かないことにしました。ただ一つ言いたいのは、病院は同じ病室にしんどい人もいるの忘れないでね。かな。1日中でかい声でしゃべりまくりの上に、夜中の11時過ぎまで昼間と同じ声の大きさで騒ぐな、クソババァ!!(` ´)=3いい年して常識なさすぎ。)部屋を今朝看護師さんに文句言って速攻で変えてもらいました〜☆(わがままな患者って思われたかもだけど・(笑))
と言っても、結局前にいた227号室なのですが。
部屋のメンバーもあれから入れ替わっていて、前からいた人は以前風呂場で「また戻っておいで。」と声かけてくれた人だけでした。(「ただいま。」「おかえり。」と言葉かわすはめに^^;)
でも、以前に比べると静かな部屋になっていたし、今度は窓際☆ラッキー!!
今度こそ退院までがまんするぞっと(笑)



2005.2.28 抗がん剤投与・3回目と輸血
今日は3回目の抗がん剤投与がありました。
昼前にN先生が来て、「(今朝の採血の結果だけど)貧血がね、進行しているんや。だから輸血もさせてもらうけんね。」と言いました。
あれれ?輸血って先週400mlしたばかりじゃなかったけ。先生が言うにはどうも抗がん剤の副作用らしいですが。
ヘモグロビンの値が6.1しかなかったそうです。普通の人の半分以下!
昼過ぎから前投薬の後、タキソール投与が行われ、途中から輸血600ml開始しました。
この上24時間点滴(プリンペラン)を同じ血管から入れていたから、血管が痛かった・・・。
抗がん剤と血を同じ血管から入れてもいいんかい、と思ったけど、看護師さんに聞いたら全然大丈夫とのこと。
結局先週とあわせて1000mlも輸血したことになる。輸血してくれたどっかの誰かにはほんと感謝せんといかんなあ。



2005.3.1 ついに脱毛はじまる!
ついに恐れていた脱毛が始まった。

午前中に頭の傷の抜糸がありました。
傷はきれいに閉じているとのことでした。やったぁ〜(^▽^)♪
午後からは特に予定もないので、ベッドでごろごろしていたんやけど・・・何気に髪をつつ〜っとやったら、7〜8本髪が抜けた。
まさかね、って思った。
もう一度同じ事をやったら、やはり小さな束になって髪が抜けた。
ついに来たか、だった。

3:00ごろN先生が来たとき、髪が抜けたことを言った。
「こーやって、つつつ〜っとしたら髪抜けるんですよ。って実演したらほんとうに7〜8本抜けたので「うわっ、ほんとに抜けた^^;」と思わず言った。
先生は隣に座ると「いつから髪、抜け始めたん?」って聞いてきた。
「今日からです。」って答えると、「こういう治療してると、どうしてもほとんどの人は髪が抜けてしまうんや。でも治療が終わったら必ずまた生えてくるからね。」って言った。
「治療が続いている限り、その間はずっとハゲってことになるんですよね??」って言ったら、「そうやなぁ・・・。」って言ってたけど。

先生が帰った後、気が狂ったように髪をひっぱりはじめる。最初、7〜8本だったのが、20本、30本くらいの束になってどんどん抜けていった。
ゴミ箱にどんどん髪がたまっていく。ついには子供用のかつらができるんではないかと思うくらいたまった。
パジャマも髪の毛だらけになり、ようやく抜くのをやめた。
頭はイブサー○のおばさんのようになっていた。

その日の夕方、ついに悲しくなって毛糸の帽子をかぶり、1階へ行った。
1階の入り口付近に座ってぼんやりしていると、ちょうどN先生が通りかかって「どうしたん??」って聞いてきた。
だけど、いじっぱりなあたしは「何でもないです・・・。」って答えてしまった。すると先生、本当に行ってしまった(笑)。

しばらくしておかんが来た。帽子を取って頭を見せた。こらえていたものがあふれて、その場で「髪かえして欲しい〜!!」って泣いてしまいました。
一度涙腺がきれると中々止まらなくて、1階の外科前に行っていろいろ愚痴をきいてもらいました。

「治療が終われば、また髪は生える」って誰もが言う。でもそれは他人事だから簡単に言えるんだよね。
先生はあたしを励ますつもりで言ったんだろうとか分かってるけど、こういう辛さはなった本人でないと分からないと思う。
男の人ならスキンヘッドでも平気で街歩けるけど、女の人はそりゃショックだわ・・・。(かつらとかあるけどさ)
覚悟はしていたけど、今日は衝撃的な日でした。



2005.3.8 CT検査の結果
今日はCTを撮りました。
夜先生が来て結果を話してくださいました。


N先生「あのな、CTの検査の結果やけど・・・あんまり(腫瘍の大きさが)変わってなかったんや。」
えっ・・・確かこの間レントゲン撮ったときは少し腫瘍が小さくなっているように見えるって言ってたじゃない。
あたし「でもこの間のレントゲンでは小さくなってるって言ってましたよね。」
N先生「うん、見方にもよるんや。CT上ではあまり変わってなかった。またご家族の方を交えて話し合おうか。今の治療を続けるか、新しい治療に切り替えるかにしても。」


そっか・・・。副作用いっぱい出たけど、あたしなりには頑張ったつもり。
先生が部屋を出て、おかんに言ったら「なんなん!それ。」ってすっごい怒っていた。そりゃそうだろうな。普通はそう思うよな。ふざけんな、このバカ医者!ちゃんと治せもしないで何言ってるんや!人の命なんだと思ってるんよ!!とかって。
N先生じゃなかったらあたしもそう思っていたと思う。
でもあたしはN先生に対する怒りも恨む気持ちも全くない。
前からどんな結果になっても事実を受け入れるって決めていたもんね。
これで治療法がなくなったとかってわけではないしさっ。
だから前向きに行こう。



2005.3.11 イレッサ
今日はN先生とあたし達家族とで今後の治療についての話し合いがありました。
最初にCTの画像を見せてもらったら、今まで腫瘍は2個だったように思うんだけど、3個に増えていました。(進行してるじゃん!!)
大きさは治療前とあまり変化がありませんでした。
今のタキソールでの治療を2クール、3クールと続けてみて、もしかしたら(腫瘍縮小)効果はあるかもしれないが、あたしが吐き気などの副作用に苦しんでいるので、イレッサ(来た〜!)という薬に切り替えて治療をしようとのことでした。

イレッサといえば「退院後の日々」で取り上げた事がある例の薬です。主な副作用はにきびと間質性肺炎だそう。特に間質性肺炎はなってしまうと死にいたることもあるそうです。
マスコミとかで副作用の怖さばかりが取り上げられている(外国では延命効果がないとかで、承認取り消しになりましたよね)ある意味有名な薬です。
でも専門の医師のもとできちんと副作用とか管理したら実際はそれほど怖くない薬だそうです。

ここでちょっとN先生に怒っているおかんが、先生に厳しい質問をしました。(笑・つーか笑い事ではないんですが)


おかん「先生、今更こんなこというのもなんなんですが、手術で治すとか他に方法はないんでしょうか?ほんとうにこれしかないんですか?」
N先生「う〜ん、全部(腫瘍を)取り切れればねぇ・・・。」
あたし「えー手術やだ。」
おかん「手術したらやはり片肺になって一生酸素が手放せなくなったりするんでしょうか?うちの親戚は生きてさえいればそれでいいからって手術勧めるんですがねぇ。」
N先生「そうですねぇ・・・・・・・。」
あたし「!!!!!」


生きてさえいれば、なんてそんな風に簡単に言わないでよ!内心思った。
肺が1つになって息苦しくて苦しむのはあたしなのに・・・。一生仕事も何にも出来なくなるじゃない!
そりゃ親戚の人もおかんもそれだけ心配してるんだろうけどさ。分かってるけど。

多分化学療法で行っているのは、今の病院には呼吸器外科医がいないのと、放射線治療の設備がないんもあるんやとは思うけどね・・・。
手術をして腹膜腫瘍を取り除いたのは以前書いたけど、うちの外科の先生ってみ〜んな消化器外科専門なのです。
ちゃんとそういう設備や医師の整った病院なら県内だと、T病院や医科大病院ってことになるかなぁ。
ぷーやんだって今まで心が揺れた事がないわけじゃない。治療を受けるなら設備がちゃんと整っていて、治療の選択肢がいくつかあるとこで・・・って何度も考えた。
退院して家でいるときとかさ。
でも・・・抗がん剤治療で腫瘍を叩いて、体は普通に生活できるんであれば、それも選択肢の1つかなって思う。

先生は母の話に別に怒った様子もなく、あたしに「外泊(土日)の間にどうするか、家でじっくり考えておいで。」って言ったけど、もちろんイレッサお願いするに決まっているじゃない^^
あたしが今まで転院もせず、今の病院に通いつづけてるわけは今まで散々書いてきたよね(^▽^)
先生、来週からもよろしくお願いします☆



2005.3.12 一休さん
髪はあれからもだいぶ抜けました。
ぷーやん元々髪の量が多いせいか、帽子かぶらなくても見た目はちょっと頭頂部とか薄いかなってくらいだったんだけどね。
毎日大量の髪の毛が枕やパジャマや帽子につきました。ガームテープで掃除していたんだけど、だんだんうっとおしくなってきて、見るのも辛かった。
とうとう坊主にしようと決心し、おかんに「バリカンで頭そって欲しい。」と頼みました。
おかんはあたしの言葉にショックを受けたようで「無理にそなんことせんでもええやん。」って言ったけど・・・。
ここの病院にも月1で理容師さんが来ると聞いたので、その日の昼の検温に来た元・担当ナースYさん(あたしが部屋を変わりまくるので、担当変わってしまったそうです。えーん><。)に聞いてみたら、 おじいさんたちと一緒の部屋でするのでおすすめできないとのことでした。

次の日の夜、おかんたちが面会に来ているとき、ちょうどYさんが見回りにやってきました。
おかんは「どこかいい美容室ないですかね。」とYさんに相談していました。
あたしの病気を知っているのはごく限られた友人、親戚だけなので、同じ市内ではやりたくないこと、娘の髪をそる勇気がない事を話していました。
するとYさんは行きつけの美容室に個室があるので相談してみましょう、と心良く言ってくださいました。

そして今日、1ヶ月ぶりに外出外泊OKがでたので、昼からYさん行きつけの美容室へ行って来ました。
そこの美容室は・・・Yさん若いから当たり前なんだが、ものごっつ今風のお店でございました。
いや・・・ぷーやんもそれなりの美容室へ行ってるんだけど、ぷーやん行きつけの店なんかよりずっとおしゃれ!!
女の子たちはみんなしっかりおしゃれしてるし。ああ、雪ん子のようなかっこなんかしてきて恥ずかしいよぉ〜!!!
個室は2階にあった。案内されて階段登った時筋肉痛みたいな感じになって登りづらかった。運動不足なんだろうか、確実に足が弱っている。
2階も1階同様おしゃれな部屋だった。外国車の模型が置いてあってかっこいい〜!

そして、担当の美容師さんがきて、ついに〜髪をそりました〜!
髪をそるとき、さすがにかなりうるっと来てしまいました。(30年間のばした髪よ〜、さらば〜!)
担当の美容師さんはすごくいい方でした。あたし以外にも何人か同じようなお客さんが過去にいたそうです。話がはずんで、すんごいリラックスしました。
できあがってみると、さすがやっぱ美容室っていうのかな。ハゲでもキレイに仕上げてくれてるっていうか、理容室でやるより断然いい感じ!
思わず可愛い!(自分で言ってどーする^^;)と笑ってしまいました。
帰りは雪がちらついていて、帽子かぶってても頭寒かった〜。車の中では気分悪くなって吐いたけど、心は満足でした。
Yさん・・・いやM恵ちゃん、そして担当美容師さん今日はほんとうにありがとうございました。