2004.6.20 お腹が痛い!
朝、目を覚ましたら汗でパジャマがびしょびしょになっていた。熱はとりあえず36℃台に下がっていた。
お茶とか飲んでいるのに、昨日からおしっこもあまりでなかった。腹もあいかわらず張ったような状態が続いている。
朝の検温の時「おしっこあまりでないんです。」と看護師さんに言ったら「多分汗たくさんかいてるからじゃないかな。大丈夫だと思いますよ。」とのこと。

夕方からまた熱が出だして38・2℃まであがった。
お腹の痛みもだんだん強くなってきて、3年前に腸閉塞で入院した時の痛みと似てる、って思った。
便もおとついから出てないし、また詰まったのではないかとちょっと不安になった。

夜8時過ぎに母が来た時、看護師さんにお腹が痛いことを言った。
すぐに、当直の内科のT先生が来た。見た目あたしとあまり年が変わらない感じの先生だった。
パジャマをまくったら、「ここ痛いですか、ここはどうですか?」とお腹をギュッギュッと押さえてきた。
右の下腹部と心臓?のあたりが痛かったので言ったら、「虫垂炎の疑いがありますね。外科の先生呼んできます。」とすぐに外科のOT先生を呼んできた。
やってきたOT先生もあたしとあまり年が変わらない感じがした。
OT先生もT先生と同じようにお腹を触診した後、「今すぐ緊急手術が必要な状態でもなさそうですね。大丈夫ですよ。」と言った。
どうやら虫垂炎や腸閉塞ではなさそうだ。(てことは便秘か?)痛いけれどとりあえず母もあたしもほっとした。
この時の二人の先生が内科と外科でそれぞれあたしの副主治医になったわけですが・・・。

その後M先生も来て、二人の先生と同じようにお腹を触診した。
便が出ないことを言ったら、下剤を出しますからとりあえず飲んで様子をみましょう、ということになった。
今日も熱と腹痛で辛い一日だった。



2004.6.21 心エコーとCT
N先生が外来で予約を入れていた心エコー(心臓の超音波検査)とCTの検査は予定通り行われた。
朝、看護師さんが採血に来た。
昨日の熱はまた36℃台に下がっていたが、ひどく咳が出て下痢気味だった。
下剤が効いたみたいでお腹の張った感じは少しましになったけど、下痢は下痢で苦しいもんがある。

9時ごろ、エコー室に行くためにエレベーターに乗ろうとしたら聞きなれた声がしたので振り返るとN先生が看護婦さんになにやら話し掛けていた。
あたしには気がついてないようだったけど・・・あんだけ近く通っといて。たかだか外来で数回見ただけのあたしの顔なんて忘れてしまったんだろうか。

心エコーはM先生自ら行ってくださった。(M先生は循環器の先生です。)
エコー室に入ると薄暗かった。M先生が既に待っていた。・・・何か言っちゃ悪いけど、部屋の薄暗さとM先生が妙にマッチしていた。
いや・・・別にM先生が暗いってわけではないです。ハイ^^;先生ごめんね。
上半身裸になるように指示されて、ベッドに仰向けに横になったら胸全体ににゼリーのようなものを塗られた。
そしてM先生はスキャナーのようなものを胸にあてるとギュッギュッと胸の上をこすった。


ゴホゴホゴホッ・・・・!!!


あまりの痛さと苦しさに咳き込んで涙ぐんでしまった。先生、苦しいっす(;_;)
「痛いですか、ごめんなさいね。でもこのぐらい強くあてないとはっきり写らないんですよ。」
M先生が見ているテレビ画面のモニターからは心臓がドクドクいってる音が聞こえてくる。
検査だから仕方ないけど、男の力で女の胸押さえられたらそりゃ痛いわ。
母は「心エコーは前にやったことあるけど寝てたらいいだけですっごく楽やで。」って言ってた。
しかし・・・これのどこがいったい楽だというんだろう。おかんの嘘つき〜!
検査が終わると「心臓は特に異常ないみたいですね。」と言って胸に塗っていたゼリーをご丁寧にタオルで拭いてくださった。あたしに拭かせたらいいのに律儀な先生だ。
なんだかな・・・。ほんっとに検査だからともかく、現実で男の人にこんなことされたらやだなってちょっと思ってしまう。
その後、胸部のCTと、胸部と腹部のレントゲンを撮りに行って今日の検査は終わった^^

昼、看護師さんが検温にきた時「M先生からご家族の方に四時ごろお話あるそうですよ。」と言ってきた。
昨日母がM先生に面談を申し入れていたのはいたけれど、やっぱ心臓に何か問題あったんかいな、って勘ぐってしまった。

四時前に母が来てM先生と話した後、あたしのところに来て「心臓は異常なかったみたいやで。よかったな。」と言った。
母が帰った後M先生も来て、「心臓は特に問題なかったですよ。ただですね・・・レントゲンを見ましたら、肝臓が少し腫れているようなんですよ。明日肝臓のエコーもやりましょう。」といった。
心不全ではなかったのは本当にほっとした。でも肝臓に異常って・・・やっぱ問題あったんだって思った。
その日の夕食はチーズがとろりととろけていたチーズオムレツだった。おいしかったので久々に全食したが、すぐにトイレで全部吐いてしまった。
肝臓が悪いからかなのかな。



2004.6.22 肝エコーと外来受診
今日は肝臓のエコー検査(肝臓の超音波検査)と泌尿器科、産婦人科の外来受診がありました。
朝、検尿をしてナースステーションに持っていった。
当時の日記にはこの日のことあまり書いてなくて、エコーと泌尿器科受診どっちを先にしたか忘れたんだけど、とりあえず泌尿器科受診から先に書きます。

泌尿器科の外来に行ったらめっちゃ明るい関西弁の医師がいた。
「主治医は誰なん。N先生?」と聞かれたんだけど、とっさにM先生の名前思い出せなくて(珍しい名字だし。)「名前知らん先生です。」って言ったら笑われた(笑)。
「それにしてもN先生、またぎょうさんげに(カルテに)書いとるな〜。あんたいったいどこが悪いんな。どう見ても元気そうやん^^」
パソコンを見たら病状のこととかたくさん書かれてあった。N先生結構細かく診ててくれたんだな、って思った。
「何か肺炎か何かみたいなんですけど・・・。全然元気ですよ〜っ☆」って言ったら、看護師さんも笑っていた。
「おしっこの検査は特に問題なかったですよ。一応エコーしてみようか。」と言われてベッドに横になった。
助手みたいな感じの男の人(研修医かな?)が下腹部にゼリーの薬を塗ってスキャナーでこすった。
「膀胱も異常ないね。大丈夫みたいだよ。」と言われてあっさり検査は終わった。

病室に帰ってきたら、N先生が向かい側の病室にいた。何かあたしを見てるような気がしたけど、別に声もかけられなかったのでそのまま病室に入った。
胸がズキッとした。

次は肝エコー。検査室に入ると、消化器科の先生に「あらら、一人で来たん?」って言われた。
中にはもう1人、おとついの晩来てくれた当直のT先生がいた。
「そこのベッドに横になって、パジャマ脱いで。」と言われる。
上半身裸で横になったら、腹全体に泌尿器科と同じようにゼリーの薬を塗られた。
スキャナーでこすられる。
心エコーのときみたいに痛いと感じたこともあったけど、どっちかといえばくすぐったくてつい笑ってしまった。
「あ〜?くすぐったい??」と消化器科の先生が言った。


「これが胸水で、ここが肝臓やな。」
「何かここに見えますね・・・。でも分かりにくいな。ちょっと拡大してみましょう。」
「う〜んやっぱ見えにくいな。腹水はたまってる?」
「腹水はここらへんにちょっとありますね。」


2人の先生方は話し合いながらモニターをじっと見ていた。
心臓の辺りをこすられたら痛かったので「痛い!」って言ったら、T先生が「おとついもここを触診したら痛いって言われてたんですよ。」と言ってた。

「膀胱と卵巣も見てみようか。あらら、おしっこしたばっかりなん?おしっこたまってるほうがええのに。卵巣はどうかな・・・。うーん分からんなー。」
なんかさ・・・検査だから仕方ないけど、現実社会だったらそれセクハラだよ、消化器科の先生^^;
先生にしたら、おまえの裸や体の中なんて好きで診てるんじゃねえ!だろうけどさ・・・。複雑気分。
肝臓に何かあるのは確かなようだ。検査は30分くらいで終わった。

午後からは産婦人科の受診だった。
産婦人科っていったい何の検査するんだろうって疑問に思った。
診察室に入ると、あたしより少し年上くらいの若い女の先生がいた。
生理はいつだったか、不正出血はないか等聞かれた。
「いろんな先生がね、今ぷーやんさんの卵巣のことすごく心配してるんよ。今からその検査しましょう。」って言った。
卵巣ってそーいや消化器科の先生も診てたっけ。と思いつつも肝臓と何の関係があるんだろうって思った。
隣の部屋へつれていかれたらそこにはいすとテレビのような機械があった。
先生はバナナほどの太さの棒状の機械(内視鏡?)をあたしに見せて「これをおしりの穴から入れて検査します。」と言った。
ゲッて思った。足が震えていすに座れない。
看護師さん達が「あせらなくていいよ。今からは患者さんもあんまりこないし、ぷーやんさんが心が決まったときでいいよ。検査の間私たちがしっかり支えてあげるから大丈夫だからね。」と言ってくれた。
「でも痛いでしょう??怖い・・・」って言ったら、「うんちよりも細いカメラだから大丈夫よ。人間のおしりからはこれより太いうんちも出るでしょう。」っと言った。
それでも足が動かなかった。30分くらいその場で固まっていただろうか。
いつまでもこのままではいけない、って思って思い切っていすに座ったら、いすががくんと倒れて仰向けになって股を広げてる姿勢になった。
先生はゼリーのような薬をお尻の穴(多分生理の血が出るとこ。)にぬって、内視鏡を突っ込んだ。


「痛い〜!!嫌だ、やめて〜!!!誰か助けて〜!!!!!」
「大丈夫だよ、私たちがついてるから。すぐ終わるからね。頑張って。もうちょっとだよ。」
「いやぁーっ!!!!!!!」


大の大人が気が狂ったように泣き叫んでしまった。
この検査、女にとってはすっごく屈辱的だ。
検査は5分ほどで終わったが、しばらく涙が止まらなかった。
泣きながら再び診察室に行くと、先生はしばらく何も言わずあたしを見つめていた。
あたしが泣き止んでから、「検査は異常なかったよ。一応エコーの検査もしましょう。」と言って今度はエコーの検査。
今日は朝からエコーばかりだ。
この検査はそんなに痛くなかった。「う〜ん分かりにくいな・・・。」ってモニター見ながら先生がつぶやいていた。
帰りに先生が「これ、記念品にあげるね。」と言って内視鏡で撮った写真をくれた。(赤ちゃんの写真ならともかく、あまり嬉しくないもらいもんだな・・・)
看護師さんも「ここいっぱい雑誌とかあるから。またいつでも来て読むといいよ。」って言ってくれた。

夕方M先生がきた。
「肝臓の検査は特に異常なかったみたいですね。でも念のために明日肝生検と胸水を採る検査もしましょう。」と言った。
昨日は異常があるみたいに言っといて、消化器科の先生も何かあるみたいに言ってたのに、なんで急に異常なしみたいに言うんだろうって思った。

その晩母が来て話していたらT先生があいさつに来た。
「僕、Tといいます。専門は肝臓でM先生のサポートをさせていただいてます。よろしくお願いします。」
あたしと年が変わらなさそう(あたしより1こ下)なその先生はどうやら副主治医らしい。
何となくまだ仕事に慣れてないっていうのかな、お坊ちゃんぽい感じのする先生だ。

まだまだ検査は続くようだ。頑張るしかないのかな・・・。



2004.6.23 肝生検
今日は午前中に造影剤を注射しての腹部CTの検査、午後からは肝生検がありました。
肝生検というのは肝臓に直接針をさして組織を取って検査することです。(痛いんだろうな・・・。)
もちろん今日も朝から絶食。パンの日なのに・・・。パン食べたいよ〜!!

朝8時ごろ看護婦さんが点滴をしにきた。
そのまま点滴をされながら歩いてCT検査室に連れて行かれた。
検査室に入るとベッドの上に横になって最初は造影剤なしで撮影。次に検査技師さんに体重を聞かれて、点滴と一緒に造影剤を注射された。
少しすると全身に造影剤が回って体がかぁっと熱くなった。そしてもう一度撮影して検査終了。

10時ごろ、友人Mとその娘さんのSちゃんがお見舞いに来てくれた。
いろいろ話していたら、ドアから白衣のDr.がひょっこり覗いた。N先生だった。
あたしのところにくると「ごめんね〜、担当はずれちゃって。調子はどう?」って聞いてきた。
昨日おとつい廊下で会っても知らん顔だったけど、少しは気にしてくれてたんだろうか^^
肝生検と一緒に胸水も取ると聞いていたので、その話をしにきたのかなって思って「今日の肝生検は先生がやってくださるんですか?」って聞いてみた。
「うん、消化器科の先生と相談しながらやることになってる。僕も立ち会うから。」って言ってくれて、(やった〜♪)と心の中で思わずVサインした。
今日は先生は午後から外来のはずなのに、わざわざ抜けて来てくれるみたいだ。
今は主治医じゃないのに、N先生が立ち会ってくれるってだけでこんなに嬉しいのは何でだろう^^

午後3時半ごろ再び点滴をされて、今度は車椅子で昨日のエコー室に連れて行かれた。
右手に点滴されながら車椅子で廊下を行くなんて、ほんと病人みたい。(病人だけど・笑)
エコー室に入ると昨日の消化器科の先生とT先生が待っていた。ベッドにはビニールシート(ラバーシーツだったかも・・・。記憶があいまいです)が敷かれてあった。
仰向けにベッドに横になると、パジャマを胸の上までまくるよう指示された。
昨日と同じくゼリーのようなものを右わき腹に塗られて、スキャナー(これ何ていうんやろ。分からん)でこすられた。
昨日問題があった肝臓の個所を確認しているっぽい。
位置を確認後、消化器科の先生はT先生に消毒薬を塗るよう指示した。
消毒薬を塗って、ボールペンで問題の個所に印をつけられる。胸水を取ったときと同じように穴の開いた緑色の布をかぶせられる。
そして消化器科の先生が「痛くないように麻酔するね〜。」ってわき腹に針を刺した。あたりまえだけど、い・・・痛いっ!
局所麻酔が終わった後、N先生に「今から始めます。」って連絡を取っていた。
再びスキャナーでわき腹をこすられながら針を刺された。麻酔が効いているので痛くはない。
消化器科の先生がT先生に注射器を持たせて「そこで(注射器を)引いてみて!」とかいろいろ指示を出している。
消化器科の先生は針さすだけで、注射器を引くのはT先生の役目のようだ。
この子(仮にも医者をこの子呼ばわり・・・^^;)この手の検査初めてなんやなと思っていると、N先生がやって来た。
N先生の顔見たら急にほっとした(^▽^)

消化器科の先生と二人でエコーの画面を食い入るように見ながら、いろいろ話してる。


消化器科の先生「ところで今この子の主治医、誰なん??」
N先生「一応M先生にはなってるけど。症状が確定してないけんね。」


それじゃあM先生と相談して・・・とか何とか言ってた。
一応M先生って・・・?元々主治医はN先生じゃんか〜!ってつっこみ入れたくなったけど。ちょっと悲しくなる。


消化器科の先生「先生、ボタン押してここの部分拡大してください。ほらほらここなんです。呼吸してもこれ、全然動かないんですよ。何でしょうね、これ。」


肝臓の状態は先生方が思ってたよりもよくなかったみたい。
液体と思っていたできもの?が固体だったとか言ってたし。きわめつけはT先生が言った「(注射器で取ったものが)血性の腹水ですね。」って言葉。
やっぱガンかなって、この時なんとなく思ってしまった。セキセイでもガンになったら血性の腹水たまるしね・・・。
っていうか・・・ある程度医療知識のある人なら(ちなみにぷーやん、一応保健室の教員の免許持ち。)固体のできものだの、血性の腹水だのって聞いたらガンじゃないかって思うよ・・・。
耳の遠いお年よりとかならともかく、あんまり患者さんの前ではそういう会話しないほうがいいんでは?とまたまた心の中でつっこんでしまった。

5回目に針を刺された時、麻酔が効いてない部分だったみたいで思わず顔をしかめたらN先生が「大丈夫?」って声をかけてくれた。嬉しかった。
なのに消化器科の先生は「この子針刺しにくいわ。皮膚硬い、硬い。」って言った。そりゃ針を肝臓に刺されるんだからこっちも緊張するわーー;
N先生が胸水抜いてくれた時だって緊張してたけど、そんなこと一言も言わなかったよ。
N先生ひいきしすぎてるんかもしれないけど、こういう時その医師の人柄って出るんかな・・・。
検査は1時間くらいかかったんじゃないかな。2時間ベッドで安静にするように指示されて検査終了。
結局胸水は抜かなかった。何でやろ?

消灯前に廊下で再びN先生と会った。何だろうこの安心感は。なんかほっとするんだよね。


「どう?針刺したとこ痛い?」
「痛いのは痛いですけど、大丈夫です^^」


「検査の結果来週でるからね。」って教えてくれた後、すぐに行ってしまった。
歩いていく先生の後姿を見ながら、この先生が主治医だったらよかったのに、って思ってしまった。ずっとM先生なのかな。M先生も優しいけど・・・ちょっとせつなくなった。



2004.6.24 胃カメラ
今日は午前中胃カメラの検査がありました。
朝早く看護師さんが採血をしに来た。
もちろん今日も朝から絶食。今日はご飯と味噌汁だから別にいいけど、ほんと絶食多いなぁ。

あたしより3日後くらいに入院してきた同室のみかんさんと昨日はじめてお話した。みかんさんも昨日胃カメラの検査を受けていた。
「私も明日受けるんですよ。」って言ったら「あれはしんどいよぉ。麻酔してやったのに気持ち悪かった。」って言ってたので不安だった。
昨日の夕方M先生は「若い人は胃カメラを飲み込むときに吐いたりすることあるから、麻酔をしてやりますからね。」って言ってたけど。

今日も8時ごろM先生が来た。この先生ほんと几帳面っていうか・・・。
毎日朝晩2回必ず様子を見に来てくれる。
咳は出てるかと聞かれたので、朝方や夜中に咳がひどいことを言ったら、「咳がひどいようでしたら、咳止めはだしますからね。」と言った。
咳止め、出してくれるのはいいんだけど・・・だけどね・・・。
なぜかこの時M先生の言葉にイライラしてしまった。
M先生が行った後、りんごさんが「M先生は毎日ちゃんと来てくれて、ものの言い方も優しいし、ええなぁ^^」って言った。
「はい。ほんと優しいですよね〜☆」って答えた。確かに患者にとっては嬉しい事ではあるけれど・・・。何であたし、ちっとも嬉しくないんだろう。

10時ごろだっただろうか、胃カメラの検査に呼ばれた。点滴をされながら車椅子で検査室に連れて行かれた。
看護師さんに検査室の外のソファーに座るように言われて、最初に胃をきれいにする薬だと言われてコップ1杯の液体を飲まされた。この液体、甘いような苦いような変な味だった。
そしてのどの麻酔を注射器で口の中に入れられて、20分ほど口の中に含んでいるように言われた。
でも口の中がしびれてきて吐き気がして、5分もしない内に吐いてしまった。
「困ったね・・・。先生と相談してくるからちょっと待っててね。」と言って看護師さんは検査室に入っていった。
そのまま10分くらい待っただろうか。「中へお入りください。」と言われて中へ入った。
口に小さい笛みたいな形のものをはめられて、テープで固定された。
そしてベッドに横向きに横たわった。
その時、T先生が入ってきてあたしにペコッてして、向こうのほうにあるテレビ画面の前に座った。
「点滴に麻酔を入れますね〜。ちょっとチクッとするかもしれないですよ。」という看護師さんの声を最後に意識が吹っ飛んだ。

・・・向こうのほうで「あー、食道が荒れてますね。」とT先生が言ってるのがぼんやり聞こえる。
何か吐きそう・・・。ベッドの上に胃液を大量に吐いてしまった。あ〜あ、パジャマ濡らしちゃった・・・。

「ぷーやんさん、終わりましたよ〜。」と看護師さんに肩をたたかれてはっとした。
あれれ・・・?パジャマは濡れてなかった。さっき吐いたと思ったのは夢だったのか。
知らない間に胃カメラの検査は終わっていた。
再び車椅子に乗せられて病室へ戻った。

どのくらい時間がたったんだろう。またあれから眠ってしまったようだ。何だかのどが痛い。
目を覚ますと看護師さんが血圧を測っていた。
「どう、気分とか悪くない?」って聞かれた。
のどが痛いことを言ったら、「時々のどの穴が小さい人いてね。ぷーやんさんも多分のどの穴が小さいんだと思うよ。検査の時どうしてもカメラが中であたってしまうからそれで痛いんだと思う。」って言った。

夕方T先生が来た。「胃は問題なかったです。でも逆流性食道炎って言って、食道が荒れていました。それはお薬で治療しましょう。」と言った。
夢の中で聞いたT先生の言葉は嘘ではなかった。声は聞こえていたのかな。
とりあえず、胃には問題なくてほっとした。
しかしT先生はあたしの隣に座ると突然気になることを言った。


「卵巣の腫瘍マーカーって分かりますか?今日採血をしたら決定的な値が出ましてね・・・。」
「・・・それってガンってことですか?」
「いや、子宮内膜症などの病気でも高くなります。一応明日もう一度産婦人科で検査しましょう。」


T先生と入れ違いにM先生も来た。
「胃には問題なかったようですね。明日はもう一度産婦人科のほうで検査しましょう。」とT先生と同じ事を言った。
またかって思った。おとついの産婦人科でのことを思い出して胸がギュッってなった。
もう一度あの辛い検査をしろっていうの??産婦人科の先生異常ないって言ってたのに。
婦人科系の病気と肺に水がたまってるのと何の関係があるっていうんだろう。

その晩、激しい咳がでた。同室の人たちに迷惑になるかと思ったので1階の待合所でしばらく咳き込んでいた。
何で咳が止まらないんだろう。
咳が出たら咳止め、熱が出たら解熱剤を出してはくれるけれど、薬の効き目なんて一時的なものだった。こんなの一時しのぎでしかないじゃん!
毎日検査ばかりで、根本的な治療なんて何もしてくれない。
一人になると悪いほうへ悪いほうへと考えてしまう。何で、何でって思うことが多すぎる。
「あら、どしたん?ここで待ってたん??」と母と弟が玄関から入ってきた。
「なんで検査ばっかりするん!毎日毎日いったい何の検査してるん???毎日咳が出てしんどい・・・」2人の顔を見たら急に涙が出てきた。
「どうしたんな・・・。何かあったん?」と母たちも困惑していた。


2人と話していると、看護師さんが心配してあたしを探しに来た。泣きながら咳き込むあたしを見て、「ぷーやんさん、先生に薬を出してもらうように言ってきましょうか?」って声をかけてくださった。
看護師さんが行った後、外科の前の待合室に行って家族にグチを聞いてもらった。
これだけ咳き込んでいるのに肝心の肺の検査をせず、関係ない臓器の検査ばかりしてること。いきなり明日また産婦人科へ行くように言われたこと。
母たちも検査には疑問を持ってたみたいで、後でM先生と話してみるって言った。
しばらく話していたらばななさんがやって来た。
「あら、あんたここにおったんな。」
ばななさんも心配してあたしを探してくれていたようだ。


あたし「心配かけてすみません・・・。でも部屋の中で咳したらみんなに迷惑かかるって思って・・・。」
ばななさん「そんなん気にせんでいいんよ。病気になったらみんなお互い様や。」
あたし「外来ではずっとN先生に診てもらってたんです。でも入院したらM先生に代わっちゃって・・・。関係ないとこばっかり毎日検査されて辛いんです。N先生がよかったのに!」
ばななさん「そのN先生って人といっぺん話してみな。あたしはそれがええと思うわ。」
あたし「でも今は主治医じゃないし・・・。」
ばななさん「そななん関係ない。話したかったら話したらええんよ。落ち着いたら戻っておいでね。」

病棟に戻ったら看護師さんが「ご家族の方にM先生からお話があります。」って言った。
あたしは病室に戻って、母たち2人がM先生のところに行った。
しばらくして2人が戻ってきて、3人で面会室のほうに行った。
「明日の産婦人科の検査はやめるって言ってたよ。あんたの気持ちを無視して勝手に検査すすめて悪かったって謝ってた・・・。それでね、検査の結果が悪かったら医科大の病院のほうに転院するように言われた。」と言った。
医科大転院ってどういうこと??やっぱりあたしは悪いの???
何であたしにはそういう肝心なこと言ってくれないんだろう・・・。何で嘘つくの・・・。
M先生に対して持っていた不満が一気に大きくなってしまった。

消灯後またさっきのことを思い出してメソメソ泣いていたら、ばななさんがカーテンを開けて握手をしてきた。
「頑張れ、頑張れ。」って目が言ってた。
ばななさん、心配かけてごめんなさい。でもあたし・・・今晩は立ち直れない・・・。



2004.6.25 咳が止まらない!
昨日咳止めの薬をもらって飲んでいたが、今朝再び激しい咳が出た。何かお腹も張って変な感じだった。
ばななさんが「気にしなくていいよ。」って言ってくれたのに、やっぱり気がひけて1階へ行こうと部屋の外へ出た。
外に出るとN先生がいた。朝早くから患者さんのところを回っていたみたい。こちらをじっと見てたけど、咳き込んでいたのであいさつもせずに通り過ぎた。

1階の待合室の椅子でしばらく咳き込んでいた。
30分くらいすると咳が落ち着いてきたので、外の空気を吸おうと玄関の外に出た。
病室内のよどんだ空気と違って、外の空気は澄んでいておいしかった。

しばらく玄関前のソファーに座ってぼんやりしていると中年のおっちゃんが話し掛けてきた。
いろいろお話した。
そのおっちゃんは糖尿病で何回も入退院を繰り返しているらしい。
妻子とは離婚して今は一人もんだそうだ。
年齢を聞かれたので言ったら、「あんたそんな年に見えんわ。子供みたいやな。それじゃ子供もおらんやろ。」と言われた^^;
いつものあたしなら(何こいつ、ムカツクッ!)なんだけど、不思議と腹は立たなかった。
あたし、もう子供は生めないかもしれないよ・・・って冷やりとした気持ちになった。
肺に水たまっているのと肝臓の異常と何の関係があるのかは分からないけど、卵巣に何かあるのは間違いないみたいだしね。
それでもおっちゃんと話していると少しづつ気持ちがほぐれていった。
途中で咳き込んだあたしの背中をさすってくれた。
その内におっちゃんの仲間らしきじいちゃんが二人来た。
じいちゃんの1人がコーヒーをおごってくれた。
「初対面の私にすみません。」とお礼を言ったら「病院ってそんなもんだよ。」っておっちゃんが言った。
何かこういうブルーな時って同じ立場の患者さんたちと話しているとすごく気持ちが救われる。
おっちゃん、じいちゃん達、どうもありがとう。

少し元気でて病室に戻ったら、いつも来る実習生の男の子が「お茶お入れしましょうか?」とお茶を入れにきてくれた。
この実習生の男の子、すごく優しいんだよね。病棟の看護師さんの中ではピカイチだったと思う。
いつもにこにこ笑顔で丁寧にしゃべる人で、患者さんの気持ちをなごませるものをもっているというか。
なので同室の人たちの間では「あの子が来ると気分が明るくなる。」って評判がよかった。

8時ごろM先生が来た。昨日の事は特に何も言わなかった。お腹が張っていることを言ったら「多分薬の影響による便秘でしょう。」と言ったけど。
分かってるから。ね。
自分の体がどんな状態か分かっているから・・・嘘つかないでって思った。